2014年12月2日火曜日

ニッカウヰスキー、仙台、宮城峡蒸溜所を訪ねる(オマケ:仙台限定ウイスキー「伊達」が飲める店紹介)





NHK連続テレビ小説「マッサン」が人気だ。
個人的にはニッカウヰスキーは昔から好きだったし(特にスーパーニッカ)、竹鶴政孝氏の養子である竹鶴威氏とは銀座ロータリークラブなどを介して少しお付き合いをさせていただいた。今の仕事であるトータル飲料コンサルタントとしてウイスキーの仕事もあるゆえ一応は勉強もしている(つもり)。数年前には余市蒸溜所にも取材に行った。
「マッサン」は、そんな背景からとても楽しみにしていたし、録画もしている。ウイスキーを飲みながら録画を見るのが最近の楽しみなのだ。

そんななか、ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所の見学に行けることになった。
なんでも、ウイスキー人気とマッサン人気で、通常の何倍もの見学者が訪れているとか。
冷たい雨がそぼ降る仙台駅におりたった。
この日ご案内いただくのはニッカウヰスキーの生き字引(株)仙台ニッカサービス営業部長岡島君夫氏。ご自身もこの人気に驚かれているとか。

JR仙台駅前より作並温泉行き(市営バス)「ニッカ橋」下車 (所要時間:約60分)がでている。


まずは見学受付へ。大変な混雑。



傘を差しつつ説明くださる岡島部長。うしろは新川。「にっかわ」と呼ぶ。ニッカと似た名前であることに不思議な縁を感じたうえに、非常に硬度の低いウイスキーつくりには最適の水質であることがわかると、竹鶴政孝は、「余市がハイランドとするなら、ここはローランドタイプになる」と感じ、ここに第2の蒸溜所を造ることを決めた。余市はピートのきいた骨太な個性に対し、宮城峡はスマートで穏やか、果実の風味のある軽快な個性を持つ。余市が「海の蒸溜所」ならばここは「森の蒸溜所」。一年を通じて霧や靄や雪が蒸溜所を包む。深い森林から生まれる湿潤で澄んだ空気が貯蔵庫の樽を乾燥から守り、豊かな香りを生み出すのだ。


ゲストホールには展示物も。
これはスコットランドの外国人移住登録証。注目すべきはリタも「外国人」とされている点。このときにすでに日本人として政孝とともに生きていたことがわかる。


かの「竹鶴ノート」。スコッチウイスキーつくりに関して、細かい文字で丁寧に書かれている。これがジャパニーズウイスキーの原点なのだと思うとちょっと震える。


かなり小ぶり。これを鼻にかざして香りを嗅ぐ政孝の姿が想像できる。



キルン搭。大麦麦芽をピートで燻して乾燥させる場所。現在は使われていないがウイスキー蒸溜所のアイコンでもある。


カフェ式連続蒸留機(の模型)。トウモロコシを主原料とするグレーンウイスキーを生み出す蒸留機。現物はキルン等の横にある。もちろん見れない。1830年イギリスにてエニアス・カフェ氏によって発明された。カフェは人の名前。通常グレーンウイスキーはその蒸留機が新しければ新しいほど、雑味のないピュアなアルコールを抽出するのだが、この蒸留機は古いこともあり、独特の個性を持つグレーンウイスキーになる。これが、いわゆる、宮城峡の、いやニッカウヰスキーの味わいとなるのだ。お手頃なブレンデッドウイスキーでもおいしいのはこのカフェ式蒸留機のおかげだと言える。


これはピート(泥炭)。これがウイスキーの個性を決定する。


ここからは一般見学でも見ることができるコース。麦芽を糖化するタンク。 糖度13%くらいになる。いわゆる麦ジュースだ。









麦芽と水を混ぜて発酵させるタンク。 3日間かけアルコール7~8%になる。ビールみたいなものだ。


ここが見学必須の単式蒸溜器(ポットスチル)の蒸溜棟内。 比較的低温で蒸留することでまろやかな味わいになる。モルトウイスキーは2回蒸留する。また、ネックの形や曲がり具合などでも味が変わってくる。蒸留器に「注連縄」が飾られているのは余市も同じ。



製樽棟。ニッカでは樽の作り替えも行っている。内部を焼くところを見ることができる。すごい炎で迫力満点。ガンガンに焼いても表面のほんの少ししか焼きが入らないのだとか。この焼き具合で熟成ウイスキーの風味が変わる。


貯蔵庫。地面は土のままだ。ここでウイスキーは森の空気と湿度に守られ熟成していく。神秘的な光景。このあとはゲストホールへ。試飲ができる。



蒸溜所での試飲のあとは仙台の街に繰り出そう。仙台限定の「ニッカウヰスキー 伊達」を堪能するのだ。
まずは、並木が美しい定禅寺通りに面した眺めのいいお店。一人でもグループでも楽しめるカウンターとボックス席。親しみやすいスタッフは旅人にもうれしい。
12月に行われている「SENDAI光のページェント」を眺めながら飲む「伊達」は格別だ。

バーラウンジ欅



こちらはオーセンティックなカウンターバー。大人が楽しめる店だ。とはいえ、親切なスタッフとの会話も弾み、仙台の夜を安心して楽しませてくれる。ニッカウヰスキーの飲み比べも楽しい。

バー ザ・ヴォイス


仙台駅。新幹線改札内にある「さくっと立ち飲み 伊達や」 。やるなぁ、仙台。ここでも「伊達」が飲める! 素敵♪ 新幹線に乗り込む前に店名通りさくっとやってこ!




さて、ドラマ「マッサン」も中盤に入り、鴨井大将とマッサンのウイスキーつくりが始まってきた。このタイミングで、本当のウイスキーつくりはどんなものかを、宮城峡や余市、そのほかサントリー山崎や同じく白州、マルスなどの実際に行ける蒸溜所を訪ね、見学し、自分の目で確かめるのも乙なものだ。
ますますジャパニーズウイスキーがおいしくなってきた。
ジャパニーズウイスキー、万歳!

















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